「っくしゅん!」
「風邪ですか?」
「うーん、判んない」


ヤキモチ。




「だーかーらー!行かないってば」
「だーかーらーv照れなくていいんだってば」

長い廊下に響く若い二人の声。
とシーナはそんな会話を延々と繰り返していた。
早足で通り過ぎていく二人に、仲間達は苦笑するか、呆れるかのどちらかで。
「ああもう!!ついてくんなーっ!!」
そうやって怒ってみても、今日のシーナはいつも以上にしつこい。
にっこり笑っての腕を取った。
が一緒にテラスでお茶してくれるならいいよv」
「お断りします!!シモーヌとヴァンサンとでも飲んでればいいだろうがっ!」
「そんなの嫌だって!俺はとお茶したいの!」
ぐいぐいと腕を引っ張っても、なかなか離そうとしないシーナに、さすがのも切れ始める。
どうやってぶちのめそうか、そんな考えを頭に巡らせた時、視界の端に見慣れた金が見えた。
それは普段は船着場で潮風に揺れているそれで。
助かった、と視線をそちらに向ける。
シーナはそんな力を緩めたを背中から腕を回した。

「・・・ヤム?」
さん?」
おもわずお互い見詰め合ってしまう。
「あれー?今日はヤム・クー君はデート?」
シーナの冷やかしを含んだ台詞。

そうなのだ。
ヤム・クーの隣には、同盟軍の歌姫アンネリーの姿があって。
「ちっ・・ちがいます(///)」
顔を真っ赤にさせて言うアンネリー。
可愛いなぁなどとは思うが、この珍しい組み合わせはどういうことだろう。
「どーしたの二人で?」
ヤム・クーを見上げれば、一瞬目が合ったのだがすぐに外されてしまう。
どことなく、怒っているように見えた。

「別に、なんでもないです」
素っ気無い声。



・・・むか。


なんか・・・腹立つ。
はもわもわと胸の辺りにあふれ出てきたモノに、眉をしかめた。
心臓を、誰かにつかまれたような感じも、する。
「・・・あっそ、あたしには話せない様なことなんだ」
口元に引きつった笑いを乗せて、
無意識にイヤミったらしく言ってしまった。
自分でもわかったのだが、なんでかムカついた。
ヤム・クーも、ぴくりと不機嫌そうに眉を動かす。
「そんなこと言ってないでしょう」
「言ってるじゃん」
お互いの台詞が、苛立っているのが見ている二人にも感じられた。
珍しいな、とシーナは驚いたように目をぱちくりさせる。

「別にいいよ、無理に言わなくて。あたしには関係ないし」
「関係ないって・・なんですかそれ・・」
「だってそうでしょうが」
「・・・・・アナタがそう思うなら勝手ですけど」
「ええ、勝手に思ってますよ」
「・・・もういいです。行きましょうアンネリーさん、さんはシーナさんと用があるそうですし」
「っ!・・シーナ、行こう。ヤム・クーさんはアンネリーとデートらしいから」
はシーナの、ヤム・クーはアンネリーの腕を取って、お互い反対方向に歩き出した。
「えっ・・あ・・あの・・」
「・・まじで?」
誘っていたシーナもそんなの台詞に驚いてしまう。
そのまま、二人は振り返ることなく、その場から姿を消した。





なんなのなんなのなんなのっ!?
あたしはヤムになんでも言ってるのに、なんだよあれは!
意味わかんないし。
どーせあたしはアンネリーみたいに女らしくないし、力も強いよ!
剣だって男並に使えるし、酒だって飲む。
大声で叫ぶし、ぶんなぐったりする。

でも。






一体あれはなんなんですか。
人が違うって言ってるのに、聞きもしないで。
それにシーナさんに抱きつかれてて抵抗してないってどういうことなんですか?
関係ない?
人の気持ちも知らないで。
確かに俺はシーナさんみたいに口が達者じゃないし、
遊び慣れもたいしてしてませんよ。

でも。














なんか、むかつく。











NEXT


短か!!!
今回は短い連載にしようかと。
ヤキモチでケンカする二人。
いいね・・・ヤムを怒らせるのってなんか新鮮v
題名が安直ですね(泣)でもこれ以外思いつかなかったもんで。
シーナなんだか性格悪くなってしまった・・・。



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