ヤキモチ・5


夕焼けがすべてを赤く染めていて。

とヤム・クーは屋上に来ていた。
二人、手すりに寄りかかって夕日を見つめている。


「なーんか、ヤムと海以外のとこ一緒に見るのって久しぶりだね」
「そうですね・・。解放戦争の一緒に戦ってた時は、色んなところを見ましたけど」
あの頃は、二人一緒に戦っていた。
一緒に旅をして、色んな色んな風景を見て。
「今は、海ばっかだよね」
別にその時に戻りたいわけじゃないけれど。


冷たい風が、二人の間をすり抜けていく。

暫く二人は沈黙した。



『ねぇ』



見事に、はもった声。
思わず見詰め合ってしまう。
「先いいよ」
さんが先にどうぞ」

また見詰め合う。
ぷっと一緒に噴出した。
「んじゃ、一緒に言おっか」



「せーの」



『戦いが終わったら、何処かいきましょう』


ぴったし。
が自分のしゃべり方を真似したので、思わず笑いが零れた。
「一緒だね」
「ええ」



ヤキモチも。
見る景色も。
存在も一緒にいる自分たちの関係は。
決して友人でもなく、恋人でもなく。

でも、一緒じゃなければ、駄目だなぁと思うのです。



単純、だなぁと、思うのです。










「そういえば」
「はい?」
くるり、と振り向いてくるに、ヤム・クーは首を傾げた。
「どーしてアンネリーといたの?」
「ああ、そのことですか」
ごそごそと、右手にもっていた包みを開ける。
はなんだろうとそれを覗き込んだ。

ふわり。

いきなり首元に纏って来たやわらかいものに、は目をぱちくりさせる。
そっとそれに触ってみれば、第一印象通り柔らかいもの。
「マフラーですよ」
「・・・・・もしかして、これヤムが編んだの?」
よくよく見ると、手編み独特の網目。
「ええ、アナタがこの前寒そうにしてたから。アンネリーさんに聞いたんです、編み方」
「・・・・・っぷっ!あっはっはっはっはっは!!!!」
確かにヤム・クーは器用だが、編物をしてる彼というのもなんだかおもしろい。
いきなり笑い出したに、ヤム・クーは不思議そうにしていた。
「ぷっく・・くくくく・・・」
笑いを口の中でかみ殺しながら、はヤム・クーの胸に顔を埋める。
冷たい風が吹いたけれど、なんでか寒くは無かった。

「ヤーム」
「なんですか」
にっこりと顔をあげて微笑んでくるに、微笑み返す。
「・・・・・ありがと」
照れているような声。
夕日のせいで、赤くなっている顔はそれを判断できなかったけれど。



「どういたしまして」







end。


なんか・・・纏まってんだか、纏まってないんだか・・。
編物ヤムvいいですね。
恋人のように愛しいけれど、
友達のように一緒にいたいって感じですな。
手編みのマフラーってあたし大好きです。


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